あるゴルフ指導者の証言
連絡さえくれない悲しさ

 ある女子プロゴルファーを小学から中学までの9年間指導した人の話を聞いたことがある。

「この選手には特別な才能があると思ったのでその間、ほとんど毎日つきっ切りで指導しました。私としては地元の高校に入ってもらい、その後も指導するつもりでいたんです。でも、遠く離れたゴルフの強豪校に進学してしまった。授業料や寮費の免除といった待遇や整った環境にひかれたようです」

 その選手は高校でも全国大会で好成績を残し、卒業後はすぐにプロテストに合格した。

「プロゴルファーになってから本来のスイングを見失い、成績が上がらなかったことがありました。私としては離れて行った時、少し寂しい思いはしましたが、それも彼女の判断と受け止めていた。関係が悪くなっていたわけではないので連絡をくれればいつでもアドバイスしようと思っていたのです。しかし、指導を求めたのはプロの指導で知られるコーチでした」

 プロゴルフのコーチにはジュニア対象、高校レベル対象、プロ対象というようにレベル別の大まかな色分けがあるという。

「でも、ゴルフの技術はジュニアであろうとプロであろうと大きく変わるものではありませんし、私にも高いレベルの選手を指導できるという自負はある。もちろん私の指導を受ければ成績が上がるとは限りませんが、手塩にかけて育てた選手が不調に陥った時、連絡さえくれないのは悲しいですよね。あの指導に費やした9年間は何だったのだという思いはあります」