「別の1泊2日の友の会の集いの時ですが、男の子たちを連れて大風呂に行ったら、『初めて男湯に入った!』と感動しているようなリアクションをした子がいて印象深かったです」と北嶋さん。

「また、帰りのバスが到着し、迎えに来る保護者を待っていると、他の誰もわからないうちに、子どもは『お母さんが来た!』と遠くから母親の姿を見つけて大急ぎでバスを降りて行くんです。1日ぶりに再会した時の子どもと保護者の満たされた表情は、自然教室最中の子どもたちの屈託ない笑顔よりも印象に残ります。とても深い愛着関係があるんだなと」

 北嶋さんは、交通事故後に残された、ある親子の関係をそう表現した。

さりげない寄り添いで
つながっていく

「普段は自分から物事をあまり話さない子が、自分からたくさん話してくれた」

 子どもたちが帰った後に寄せられたアンケートから、保護者の気持ちがうかがえる。

 家族だからこそ気を使い、亡くなった親や重症を負った家族について悲しい、寂しいといった自分の気持ちを口にしない子もいるという。そんな子どもたちが、気兼ねなく、のびのびと遊ぶ姿を見て、NASVA職員たちも満たされたようだった。

 アンケートには子どもの感想もある。

「あっという間で、もっとみんなといたかった」

「ひと~りぼっちじゃない~んだ~、すぐ~そばの~やさ~しさに、気付か~ずにいるだけ~」

 自然教室の校歌として歌いはしたが、子どもたち自身は、すぐそばのやさしさに、十分気づいている。