渋滞時のノロノロ運転で作動しない自動ブレーキも渋滞時のノロノロ運転では作動しない自動ブレーキもある Photo:PIXTA

夏休みの帰省やレジャーなどで、久しぶりにクルマのハンドルを握る人も多いだろう。そうした人にとっては、最近のクルマに標準装備されている自動ブレーキは事故防止のために心強い存在だ。ところで、この自動ブレーキはどこまで信頼できるものなのだろうか。(モータージャーナリスト 鈴木ケンイチ)

自動ブレーキはリアルな世界で
本当に機能を発揮するのだろうか

 夏になれば、やってくるもの。それは夏休みだ。ある程度のまとまった休みができれば、遠く帰省をするのもよいだろう。ロングドライブも楽しい。そうしたときに怖いのが交通事故だ。普段からクルマに乗り慣れていない人や、レンタカーという普段とは違うクルマを運転するという人であれば、なおさら事故は怖い。

 そんなときにうれしいのが自動ブレーキである。車両や人と衝突しそうになったときに自動でブレーキを作動させて、衝突の被害を回避もしくは軽減してくれる。

 さらに最近は、アクセルとブレーキの踏み間違い事故に対応する誤発進抑制機能付きのクルマも増えてきた。自動ブレーキと誤発進抑制機能をダブルで装着するクルマは「サポカー」と呼ばれ、2015年の時点で新車販売の45%を占めるようになっているのだ。

 では、そうした自動ブレーキは、リアルな世界で本当に機能を発揮するのだろうか?

 答えはイエスだ。

 もちろん装着していれば、安全率はグンと上がる。「ぶつからないクルマ」で有名なアイサイトを擁するスバルが調べたところ(2016年発表)、アイサイトを装備した車両は、1万台あたりの人身事故発生件数で、車両同士の追突事故は約8割減、対歩行者の事故は約5割減。事故数全体でいえば約6割減という結果であった。

 劇的といっていいほど、事故が減るのだ。