今年の夏は酷暑に加え、大型の自然災害が四つも日本列島を襲った。想定をはるかに超える自然の猛威が日本経済に大きく影を落とした。(「週刊ダイヤモンド」編集部 藤田章夫、岡田 悟、中村正毅、堀内 亮)

北海道厚真町
北海道厚真町で発生した大規模な土砂崩れ Photo:JIJI

「50年に1度のことなのか、それとも毎年起こることなのか……」

 9月4日に日本列島を縦断し、全国規模で猛威を振るった台風21号。とりわけ影響が大きかった関西では高潮に襲われた関西国際空港が閉鎖を余儀なくされ、約8000人が人工島に取り残された。関空の運営を担う関西エアポートの山谷佳之社長は、2日後の6日に開かれた記者会見の席上で、こう心情を吐露した。

 同じ日の6日未明には、北海道で最大震度7、地震の規模を表すマグニチュード6.7を記録する大地震が発生。苫東厚真火力発電所が緊急停止して電力の需給バランスが崩れたことから、道内のほぼ全世帯、約295万戸が一時停電するという「ブラックアウト」に陥る事態となった。

 振り返ってみれば、6月18日には、大阪で最大震度6弱の地震が発生。大阪府高槻市の小学校ではプール沿いのブロック塀が倒壊し、小学生が下敷きになって亡くなるという痛ましい事故が起きた。

 さらにその翌月、7月6日には西日本を中心に豪雨となり、岡山県で河川の堤防が決壊して倉敷市真備町などに濁流が押し寄せた。

 各地で気温が40度を超えるなど記録的な酷暑が続いていたのに加え、今年の夏は毎月のように大規模な災害が日本列島に襲い掛かってきている。

 これらの災害が経済活動に大きな影響を与えることは言うまでもないが、ここでは直近の二つの災害がもたらした影響について見ていこう。まずは、停電によるサプライチェーンへの影響だ。