同行するだけでなく一緒に食事をして
よりお互いを知り合う

島村 メンターになる側はかなり忙しいと思うのですが、快く受け入れてくれますか。

原田 社内に優秀なMRを認定する制度があります。そこで認定されることは名誉でもあるのですが、年に2人を上限に、メンターとして後輩と同行する義務も負うというコンセンサスが社内的に得られています。売上げ以外でも、こういった形で会社に貢献してもらいますよと、本人にもその上長にも納得してもらっています。そういった意味で、このメンターシッププログラムは大鵬にとって財産とも言うべきものだと思っています。

島村 認定を受けることは名誉であるとともに、会社への貢献という役割もその中に組み込まれているのは、制度としてとても良くできていますね。

大鵬薬品工業 医薬教育部の原田直尚部長

原田 同行するだけではなく、一緒に食事をして交流を深めることを通してお互いのモチベーションを高めることに繋がっています。やってみて意外だったのは、同行を引き受けるメンターの側からも「気付きがあった」とのコメントが寄せられたことです。当たり前のようにやってきたことを改めて後輩に説明してみると、自分が思っていた以上にうまく伝えられないことに気付くようです。メンター側の上司からも「若手MRだけでなく、メンター側のMRにも気付きがあるプログラムである」とのコメントが実際に寄せられています。

島村 前後のフォローはどのようにしていますか。

原田 同行する若手MRには、事前に何を聞きたいのかを具体的に整理して同行に臨んでもらい、同行終了後には自チーム内で発表する報告書を作成してもらいます。一方で、メンター側には若手MRに対するアドバイスシートの提出をお願いしているのですが、これが質・量ともに書けていない人が中にはいるのです。

島村 メンターとして指名されるような優秀な人でもですか。

原田 仕事ができるから教え上手とは限らないんですね。むしろ、活躍している先輩の中には、当たり前のことを当たり前にやっているだけだと思っている人がおり、なぜ自分のようにできないのかがわからなくて、相手のレベルに合わせて具体的に何をどう教えたらいいのかがよくわからない人もいるようなのです。