マックがあれほど叩かれた
4つの理由とは?

 前出の広報・IR担当者によると、モス側が今回の事態を把握したのは、上田の店舗に保健所の立ち入り検査があった9月4日だという。プレスリリースで食中毒の事実を公表したのは11日。ワンテンポどころかツーテンポ、スリーテンポくらい間が空いている。美人キャスター氏の感覚では、こんな悪質な「隠蔽」はないのではないか。

 異物で口の中を切った被害は直ちにプレスリリースで全世界に公表せよ、と主張した記者も怒り狂っていいはずだ。だが、今日時点でマスコミ各社から、かつてマックへ向けられたような怒声は飛んできていない。

 3年前の会見場で、マックの役員に対して、「対応が遅い」「なぜすぐに公表しなかった」「消費者を舐めるな」と激怒していた記者たちは、みなどこかへ消えてしまったのかというくらい、モスの食中毒には甘いのだ。

 なぜこういう「偏向」が起きるのかというと、実は「報道」というのは、「中立公正」ではなく、その時々の社会ムード、他のニュースとの兼ね合い、視聴者や読者の食いつきなどに大きく左右されるからだ。

 たとえば、今回のモスとマックの扱われ方がなぜこうも露骨に違うのかというと、原発みたいに多額の広告費がマスコミに流れ込んで情報統制がなされるという「モスタブー」があるからーーとかではなく、「トレンド」や「企業イメージ」よるところが大きい。主要なものをざっとまとめると、以下のようになる。

・マックは当時、前年に中国産ナゲットが不衛生な工場で加工されたり、使用期限切れの肉を使っていたりという問題がすでにあった
・マックの異物混入が発覚する前、ペヤングの焼きそばにゴキブリが混入していた事件が世間で注目を集めるなど、異物混入ニュースが視聴率を獲得するというトレンドがあった
・アメリカのブランドで、グローバル企業なので、国内企業よりも叩きやすい
・過去には「ミミズバーガー」が都市伝説になるなど、品質に懐疑的な人が多い

 この他にも、マニアックなところでいえば、アルバイトの労働環境などについて、内部告発もメディアに多く寄せられていた。つまり、この時期のマクドナルドは、何をしてもマスコミから叩かれるようなムードが徐々にでき上がりつつあって、その地獄の蓋が開いたのが「異物混入」だったというわけだ。