自動車業界に何が起きるのか?
次世代車の中枢に入り込むグーグル
ルノー・日産・三菱連合は9月18日、コネクテッドカーのOS(オペレーションシステム)としてAndroidを搭載することを中心とした技術提携をグーグルと結んだことを発表した。
ひとことで言えば、次世代カーと呼ばれるコネクテッドカーの中核となる情報部分が、グーグル製品を用いて構築されるようになるという発表だ。
具体的には、次世代の日産自動車のコネクテッドカーには、グーグルマップが搭載され、スマートスピーカーと同じくグーグルアシスタントが音声で情報検索を行い、グーグルプレイストアの様々な自動車向けアプリが使えるようになる。同時に、コネクテッドカーの情報心臓部を外部からの攻撃から守るために必要な高度なセキュリティ技術も、グーグルから提供されるだろう。
コネクテッドカーを開発するルノー・日産・三菱連合幹部によれば、将来的にはグーグルの優れた人工知能技術を活用することで、ルノー・日産・三菱自動車の顧客は優れた自動車体験を満喫することになるという。この技術提携は、自動車業界全体にどのような影響をもたらすのだろうか。
直接の影響としては、これからの1年間で、GM、フォード、トヨタ、フォルクスワーゲン、メルセデスベンツ、BMWといった世界中の大手自動車メーカーが、グーグル、アップル、アマゾン、ウーバーといったアメリカのIT大手との生き残りをかけた技術提携の道を選択する動きが加速するだろうということだ。
そもそもコネクテッドカーの中核となるIT技術は、自動車メーカーが得意としてきた自動車のテクノロジーとは大きく異なる。自動車はいずれスマートフォンやスマートスピーカー、ないしはパソコンと同じように、インターネットにつながった情報端末へと進化する。その際のOSは、独自開発ではいずれ限界が来る。だから、何らかのIT大手との提携は不可避であるはずだ。