日産ルノー三菱が狙う「EVで世界覇権」、ゴーン最後の野望は叶うかPhoto:Nissan

日仏3社連合が
2022年までの6ヵ年計画発表

 仏ルノー・日産連合は、傘下の三菱自動車を加えた日仏3社連合による2022年までの6ヵ年中期経営計画を発表した。ルノー・日産連合の統括会社の会長・CEO(最高経営責任者)を務めるカルロス・ゴーン氏が15日にパリ市内で記者会見したもので、これまでは日産とルノー個々の中期経営計画を策定・実施してきたが、三菱自動車を傘下に収めたことで今回アライアンス(企業連合)として初めての中計を策定したものである。

 ルノー・日産連合に三菱自動車を加えて「RENAULT NISSAN MITSUBSHI」を並べた新たなロゴも披露した。これにより2022年までに日仏3社連合でグローバル販売に加えて、電気自動車(EV)と自動運転、コネクテッド技術の協業を加速させて世界覇権への野望を一層明確にしたのである。

 カルロス・ゴーン連合会長による仏パリでの発表会見に合わせて、日本でも日産と三菱自動車が同時にこの中期経営計画「アライアンス2022」を発表した。この2022年までの6ヵ年計画は、グローバル販売台数を1400万台(16年比40%増)以上に、売上高を2400億ドル(約26兆4000億円、16年比30%増)とするもので、ルノー・日産・三菱自連合のアライアンスシナジー効果でスケールメリットを広げて世界ビッグ1を狙う。

 ゴーン会長は「本計画はメンバー3社が成長し利益を伸ばす原動力となる。3つの自立した企業でも1つの企業のような効率でシナジーの拡大を目指す。1999年以来、アライアンスは2社で成長し結果を出してきた。『アライアンス2022』では3社もしくはそれ以上でも成長し結果を出せることを証明する」と語り、99年のルノー日産資本提携以来、20年近く続けてきた自らの経営に対する自負をのぞかせるとともに、ゴーン氏の「最後の野望」にチャレンジするかのような意欲を示した。