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9月11日、IDTの買収について記者会見したルネサスの呉文精社長は「インターシルもIDTも、ルネサスと非常に企業文化が近い」と指摘し、統合作業に自信を示した Photo:REUTERS/アフロ

「エヌビディアとぶつからずに済んでよかったよ」──。国内の半導体業界から漏れたのは安堵の声だった。

 半導体大手ルネサスエレクトロニクスが、米同業のインテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)を7330億円で買収すると発表した。来年1~6月期に買収を完了する予定で、2017年に約3200億円で買収した米インターシルに続く大型買収だ。

 世界の半導体再編に目を転じると、インテルのモービルアイ買収やNXPによるフリースケール買収に加えて、クアルコムがNXPを買収しようとしたことも含め、全てはルネサスが強みを持つ自動車用半導体の市場で起こった。

 さらに、米エヌビディアは、自動運転の「頭脳」に当たる半導体で、自動車メーカーとの提携を広げており、ルネサスの事業領域に攻め込んできている。

 これを迎え撃つルネサスが買収先として選んだのがIDT。ただ、IDTの事業領域はアナログ半導体で、データセンターや通信機器向けが大半であり、自動車向けは10%程度にすぎない。インターシルも汎用のアナログ半導体が主力事業で、自動車向けの売り上げは小さく、いずれもルネサスにとっては「飛び地」の領域だ。