「極端すぎて話にならない」と言われることを承知の上で、極端なケースから初めてみたい。

 一人っ子と一人っ子が結婚して一人っ子を生むと、日本人の人口は減って行き、最後は一人になる。その子は、家計金融資産1800兆円を相続する。その子が他界すると、それが国庫に入るから、政府の借金は一瞬で消える。

「財政赤字は、われわれのツケを将来世代に押しつけるもので、世代間格差を作り出す」と言われる。その限りでは正しいが、遺産のことも考えれば、それは正しくないのだ。世代間格差などない。あるのは遺産が相続できる子と、できない子の「世代内格差」だけだ。

 つまり、数千年待てば財政赤字問題は解決するのだから、基本的に心配は無用なのだ。あとは、その間に何かとんでもないことが起きて財政が破綻する可能性があるのか否かを検討すればいい。

「明日までは破綻しない」が続き
結局、破綻しない

 続いて、少し現実的な話をしよう。

 日本人投資家が現金を手にしたとき、「もしかしたら日本政府が破産すれば、現金は日本銀行券だから紙くずになるし、日本国債も紙くずになる」と考えたとする。彼(もしくは彼女、以下同)の選択肢は、外貨を買うことだけだ。メガバンクに預金したり、日本株を買ったりする選択肢は合理的とは言えまい。

 だとすると、彼は「国債を買うと日本政府が破産するかもしれないが、外貨を買うと円高外貨安で為替差損を被るかもしれない」と悩むに違いない。

 そして、彼はこう考える。「明日以降のことは明日考えるとして、とりあえず明日までの間、どうしよう」「今日まで順調に国債は消化されてきた。他の投資家たちは日本政府の破産より円高外貨安を恐れているから、明日までに日本政府が突然破産する可能性は低そうだ。外貨を持っているより安全そうだから、明日までは日本国債で運用しよう」と。