「ひとり作戦会議」でマネジメントの準備をする

 では、何から手をつけたらいいでしょうか?
 私がおすすめしているのが「ひとり作戦会議」です。

 現段階で把握しているメンバーに関する情報をもとに、チームの戦力分析をしたうえで、どのようなシナリオでチームを成長させていったらいいかを自分なりにイメージするのです。

 たとえば、下図のように、それぞれのメンバーの特性や担当業務などを箇条書きにしながら、現在のチームの「戦力図」を描いてみるといいでしょう。

「チームを壊すマネジャー」と「チームの生産性を高めるマネジャー」を分けるたった一つのポイント

 出来上がった「戦力図」を前に、「彼女は成長意欲が高そうだから、もう少し難易度の高い仕事を任せてもいいかも」「彼には仕事の一部を新人と分担しながら、指導役にもなってもらえるといいかも」などと作戦を考えながら、それを自分がマネジャーとしてどうサポートするかをイメージします。そして、未来(たとえば、1年後)にめざすべきチームの「戦力図」を描いてみるのです(下図参照)。いわば、チーム全体の成長をシミュレーションするわけです。

「チームを壊すマネジャー」と「チームの生産性を高めるマネジャー」を分けるたった一つのポイント

「戦力図」は1枚の紙に手書きするかたちで十分です。
 ただ、やってみると実感されると思いますが、かなり集中が求められる作業ですし、メンバーに見られる場所だとやりづらいものです。そこで、会議室などにこもったり、オフィス以外の場所に移動して行うのがいいでしょう。そして、数時間かけて、じっくりと取り組むことをおすすめします。