ボロボロになるまで「戦力図」に修正を加える

 ともかく、この段階では、メンバーに関する不十分で不確かな情報であっても、それをもとに、「こんなふうになるといいな」という未来のチームの「戦力図」を描いてみることが大切です。

 もちろん、最初は「夢」のようなものですから、それを無理やり実行しようとしないほうがいいでしょう。それよりも、まずはメンバーと接する機会を増やすことを意識すべきです。

 メンバーとの1対1のミーティングを増やすことができればいいのですが、忙しいプレイングマネジャーには難しいかもしれません。そんなときには、「スキマ面談」をするといいでしょう。

 たとえば、メンバーと一緒に外出するときに、駅のホームで電車を待つ数分の「スキマ時間」を利用して面談を行うのです。「最近仕事で嬉しかったことはありましたか?」「私は□□に憧れてこの会社に入ったのですが、〇〇さんはどうして入ろうと思ったんですか?」「いつかこういう仕事をしたいとか思うことってありますか?」などと、メンバーの「モチベーションの源」を把握するような質問をするといいでしょう。

 また、仕事上の悩みを聞いてアドバイスをしたり、どのようなスキルを身につけたいのかを聞くこともできるでしょう。“あらたまった場”ではないからこそ、プライベートも話題にしやすく、メンバーが置かれている状況を把握しやすいのです。

 このようなコミュニケーションの機会を増やすことによって、メンバーに対する理解が深まったら、そのたびに「戦力図」を加筆修正していきます。そのために、一度書き上げた「戦力図」を手帳に挟むなどして常に携帯しておくといいでしょう。ちなみに、私の「戦力図」は余白に書き込みがびっしりとあって、用紙もボロボロ。でも、こうして何度も修正を加えることで、チームの未来像はより明確になるとともに、実現可能性を高めていくのです。