グループわけしたら、解約しやすいグループと
解約しにくいグループの差はなんと9倍!

 当時のWOWOWでは280万世帯を超える顧客と、これまで放送してきた膨大な番組、そしてWOWOWコールセンターに蓄積されたリテンションデータなど、合わせて約400万件の大量のデータがありました。私たちは、これを集約、傾向別にグループに分けることから手をつけ始めました。

 まず
「最近加入したか」「1年以上加入しているか」などの加入期間、
「映画がみたい」「音楽番組がきっかけ」といった加入理由、
「性別・年代」などの属性、
「WEBで加入」「電話で加入」などによって

全顧客をスコアリングし、そのスコアを、解約しやすさをポイントに各グループが数万~数十万件になるよう62グループに分けました。

 解約しやすさや解約理由については、それまでの経験でかなり分かっていると自負していましたが、62のグループに分けてみると、改めてさまざまな気づきがあったのです。
 解約しやすさの順に並べてみると、62のうちの最も解約しやすいグループと、解約しにくいグループの間にはなんと約9倍もの開きがあったのです。

 これは、解約率が高い加入翌月に、どのグループを優先して解約抑止策を行うべきか、またどのような内容で実施すべきかを決めるのに役立ちました。

 また、62の各グループの要素を見ていくと、それぞれのグループごとに顧客の特徴があり、その特徴の中にリテンションのヒントがありました。はじめは、「グループに分けたからといって、何も始まらない」という声もありましたが、62のグループの顧客の特徴に合わせた施策を重ねていくうちに、効果が上り始めました。

(続く)