モンスターペアレント(以下モンペ)というと、学校を舞台にしたトンデモ話をイメージする人が少なくないだろう。ところが、モンペは会社にもやってくるようになり、モンペに悩まされる上司たちも少なくない。モンペからの執拗な攻撃で、うつやうつに近い状態になった上司がカウンセリング相談に来るのだ。今回はモンペの事例を取り上げながら、モンペの親を持つ部下とどう接すればいいのかについて考えてみよう。(心理カウンセラー 中島輝)
部下の親が
モンペかもしれない…
「モンペ」というと学校を舞台にしたトンデモ話をイメージする人が多いと思う。
ところが、モンペは会社にもやって来るようになった。子どもの勤め先に乗り込んで来たり、電話を執拗にかけてきて「あの会社は最悪」「あの上司はパワハラしている」などと上司に文句をつけ、あることないことを言いふらすケースが増えてきている。
私のカウンセリングにも、部下の母親から執拗な攻撃を受け、うつやうつに近い状態となった上司たちが相談に来ることがある。
住宅販売会社に勤める係長の木下浩(41歳)さんもその1人だ。木下係長の勤務先はA支店で、総務なども含め全12名いる。このうち、係長がいる営業チームは木下さんと、部下の山田さんの2名体制。山田さんは木下係長よりも10歳若く、3年前に他の住宅メーカーから転職してきた。
「仕事への熱意が薄く、面倒くさがりの面はあったが、問題児だとは思わなかった」
木下係長は彼の入社当時を振り返る。
ある日、山田さんが突然会社を休んだ。その連絡をしてきたのが山田さんの母親で、これがモンスターママ(以下、モンママ)との最初の接触だった。電話の向こうでモンママが言う。
「うちの子の具合が悪いので休ませていただきます」