最高の買い時はいつだったか
いつは買ってはいけなかったか

 安倍政権が発足したのが2012年12月、黒田日銀総裁が就任したのが2013年3月である。アベノミクスの3本の矢の1つ、金融緩和は日銀によって異次元に行われ、デフレ脱却が旗印になった。大量に刷られたお札は担保の取れる融資にまわり、不動産がその際たるものとして値上がりした。

 中でもマンションは、立地が中心部や駅近が多いために勢いよく値上がりし、金融緩和の影響を直接的に受けた。一直線に上昇した価格は、2016年以降は全体に横ばい傾向となっている。

 このため、一番の買い時は2012年になる。実際、2012年11月の国会党首討論で当時の政権与党、民主党の野田首相が野党であった安倍自民党総裁との間で交わした衆議院の解散の約束から、不動産も株価も上昇を始めている。政権交代を期待しての思惑買いだ。

 買い時のトップ3はその前の2011年、直後の2013年になる。私も2013年に拙著『このチャンスを逃すと10年待ち!マンションを今すぐ買いなさい』(ダイヤモンド社)を上梓した。その中で、金融緩和がマンションインフレを起こすことを過去の例で説明し、これから2年後に新築は25%値上がりすると明記した。結果は、冒頭の価格推移から2013年を起算とすると23%増になる。

 新築分譲された年の平均中古値上がり率は、総じて高い水準にある。アベノミクス以降の値上がりで、リーマンショック前後の時期も今では悪くなかったという認識になった。買い時か否かの判断基準は、築1年での平均下落率である2%よりも値下がりしないかにかかっている。その意味で、1992年以降で新築分譲マンションを買ってはいけなかった時期は、首都圏では1993年以前、近畿圏では1995年以前のバブル相場の頃まで遡る。この時期に買っていたとするならば、売っても住宅ローンを完済できない状況になっている人が多いと思われる。