偏った情報だけで投資を学ぶリスク

 話を戻すと、冒頭の投資家“ルーキー”の動向を聞きながら、筆者が違和感を覚えた点は2つである。1点目は投資歴が1年前後とそれほど長くなく、投資信託をメインにしている個人投資家が、ほとんどの割合で前述の王道スタイルを取っていること。2点目は1点目の副次的な作用だが、それ故に最初に投資対象とする投資信託を決めたら、積立投資の設定をして、特に相場も見ないし、ニュースも見ていないということだ。

 筆者は投資というものは、何年も試行錯誤を繰り返し、そのうえで自分の勝ちパターンが確立されていくものだと考えているが、投資歴が長くない個人投資家が、低コストのインデックス型ファンドを積み立てていくという“洗練された”投資スタイルを身に付けていることに違和感を覚えた。

 どのようにして、その“洗練された”スタイルを身に付けたのかと聞くと、色々な個人投資家のブログを読んで、そのようなスタイルが最も正しいと判断し、実践したという答えが多い。たしかに、投資信託を活用した資産運用に関する個人ブログなどを見てみると、低コストのインデックス型ファンドを積み立てるということが最良の投資手法であり、高コストのアクティブ型ファンドを購入することは愚の骨頂であるような内容が多い。

インデックス型ファンドの積み立てが最良と裏付ける、2つの理由は妥当か

 インデックス型ファンドの積み立てについて、実際に個人投資家にそのスタイルが最良であると判断した理由を聞くと、アクティブ型ファンドは手数料が高すぎることをあげる。加えて長期間で見た時に、アクティブ型ファンドはインデックス型ファンドのパフォーマンスを上回ることができないということを指摘する。

 アクティブ型ファンドの手数料の高さについては、そもそもの商品設計上、仕方のないものであろう。インデックス型ファンドが対象とする指数に連動するように運用すればいいのに対し、アクティブ型ファンドはアルファの源泉を見つけるためにアナリストなどの調査チームを抱えたり、運用面でも煩雑なオペレーションが発生したりするために、コストが高くなるのは当然である。

 しかし、長期間で見たときのアクティブ型ファンドとインデックス型ファンドのパフォーマンスについては表面的な情報を鵜呑みにしてしまっている印象だ。たしかに10年以上に渡ってインデックスに勝ち続けるアクティブ型ファンドはそれほど多くない。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が年に2回公表している「SPIVA (S&P Indices Versus Active)」によれば、2017年末時点で日本の大型株式ファンドの場合は55.96%、中小型株式ファンドの場合は63.52%のファンドがインデックスに負けている。

 ただし裏を返せば、インデックスに勝っているアクティブ型ファンドは実在するし、1年ごとに見れば、インデックスに勝っているアクティブ型ファンドは意外に多い。事実、前述のデータも期間を1年で見てみれば、インデックスに負けた大型株式ファンドは15.28%、中小型株式ファンドは13.07%と数字は一気に改善される。