だが、これで膿を出し切れたのかと疑われてしまうのが現在のGEの苦しいところだ。昨年以降、金融部門での損失計上や年金の積み立て不足といった問題が噴出し、業績予想の下方修正が続いたため、不信感を持たれているのだ。

日本での事業にも変化

 こうした疑いを晴らすためにも、カルプ氏は事業売却やコスト削減を加速するだろう。

 リストラは成長分野に位置付けてきたIoT関連事業にも及ぶ。発電機器などのデータを解析して運用改善につなげるIoTプラットホームなどを開発する子会社、GEデジタルのコストを4億ドル減らすという。

 プラットホームの売り込み先も絞り込む。GEは日本でソフトバンクやNECと提携し、全方位的に営業してきたが、めぼしい実績を挙げていない。このため、GEの中核製品である航空エンジンや発電機器の顧客(航空業界や電力業界)に注力する。

 だが、そうした注力業界の企業幹部ですら、「GEは積極的にアプリを開発する意気込みがなくなった。プラットホームを使って自由に課題解決してくださいという姿勢に後退した」と話す。

 同企業を担当していたGEの中堅技術者ら3人が最近、日系電機メーカーにまとまって転職するなどIoT人材がGEを離れている。GEはIoT関連事業を続けるが、事業戦略の練り直しも必要になりそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 千本木啓文)