「これじゃ単なる、人と飛行機の“閉め出し”だよ」と前出の幹部は吐き捨てるように言った。計画閉鎖といえば聞こえがいいが、24時間運営を使命に巨額の費用を投じて建設された関空が19時間も閉鎖したのでは、役目を果たしていない。この手法がもし恒常化すれば、関空に就航する航空会社はダイヤや機材繰りなど戦略の再考を迫られる。利用者にも影響は及ぶ。

“危うい”予兆が顕在化

「日本人とフランス人の経営幹部同士、信頼関係がまるでない」(関空関係者)。関西エア発足以降、社内外で同社幹部のコミュニケーション不全が指摘されてきた。

 加えて日本の空港運営ノウハウに乏しいことも、現場のオペレーションに悪影響を及ぼしている。そうしたひずみが、台風襲来の緊急事態で露呈した。

 さらに懸念されるのが、民営化前の旧体制から要職に就く社員の退社が相次いでいることだ。人事・報酬体系の変更や、全国で空港民営化が盛んになっているのを背景に、「毎月2~3人、優秀な人ほど転職している」(同)。

 年間1500万人の外国人客が利用する関空の雲行きが怪しくなれば、観光立国政策を揺るがすことになりかねない。

 民営化のひずみか、それとも関西エアの経営体制を見直せば解決する問題なのか。暗中模索は続きそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 柳澤里佳)