経営×経理

 ひょっとしたら、中には不具合が発生して放置されているシステムがあったりという実情が浮かび上がってくるかもしれません。こうした綻びが見つかったら、早急な対処を図らなければ、会計ソフトの機能を生かせていないといっても過言ではないのです。

 これは筆者の経験ですが、会計ソフトの種類も様々で、中には「仕訳伝票内の摘要欄にデータが上手く反映されない」「データを取り込む際に予め設定する箇所がいくつもあり、その作業自体が面倒」など、使い勝手が悪いものもあります。

 マネジャーは、自社のスタイルに見合ったソフトを活用しているかという視点でしっかりと精査し、改善の余地があれば実務担当者や人事、営業といったデータ提供元の関連部署の人たちにもヒアリングしながら、会計ソフト開発業者に改修を求めたり、適切な運用方法を教示してもらったりといった、策を講ずるべきです。こうしたことが等閑になっていれば、経営資料作成・提示の早期化などは実現しにくく、前進することはできません。

 会計ソフトの機能の要というべき“生産性”が発揮されているか否かは、大事なところです。こうしたデータ取り込み機能の他に“振込みデータ自動作成”“入金消込サービス”など、会計ソフトごとに謳っている生産性の向上に繋がる機能が活用されているか否か、主任クラスから上のマネジャーたちが現場の実態をヒアリングしながら、貪欲な姿勢で進めるべきです。

どんな資料が求められているのか
社内のニーズを共有することが第一歩

 次に、現行で使用されている会計ソフトの機能を再考して、さらに関連部署や経営陣らに対してアプローチできるようなアイデアを見出す策について考えていきます。長年に渡って活用されている会計ソフトは、すっかり実務担当者の腕や脳に馴染み、目をつぶっても使える域に達しているでしょう。日々の仕事の大半を机上で行ない、手に馴染んだ会計ソフトへのデータ入力作業が中心という社員であれば、機能の再検討をしてもらうにしても、視野を広くとることが難しいかもしれません。

 たとえば、自身が担う入力作業の軽減化など、前述した実務担当者の生産性向上策にしか目が向かない人もいるはずです。こうした状況を回避するには、経理マネジャーが中心となって、実務担当者の仕事の貢献度について全員に情報発信する必要があります。 

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大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道

経理スタッフは「定型的な事務作業をこなす人材」と捉えられがち。彼ら彼女へ向けられる仕事の効率化と言えば、“仕訳の自動化”“仕事を属人化させない”といった、表面上の作業の改善を求めるものばかりだ。しかし、本来は経理=経営管理者なのだ。経理の能力を伸ばし、経営のために力を借りるにはどうしたらよいのか。様々な業種の経理畑を歩み、一担当者から管理職まで様々な立場を経験した著者が、経理環境改善のコンサルタントとして、実務者・管理者への支援活動に当たる中で感じたことをまとめる。

「大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道」

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