筆者はCDSのデータから、その国の破綻確率を計算し、例えば、日本が今後5年以内に破綻する確率は1%未満であると言ってきた。このことは、IMFの報告書で日本のネット資産がほぼゼロであることと整合的だ。

「消費増税見直し」で
参院選で信を問うのもあり得る

 こうした話は、本コラムでこれまでにも書いてきた。昨年来日したノーベル経済学者のスティグリッツ教授が、経済財政諮問会議の場でも「日本の財政負債は大半が無効化されている(から財政破綻にはならない)」と、発言したこともそうだ。

 その時、増税を主張する日本のある経済学者は「スティグリッツ教授が間違っている」と強気だった。筆者はもしそうなら、スティグリッツ教授に手紙を書いて謝罪文をもらうべきと、この学者に言ったが、いまだに、スティグリッツ教授から謝罪文が届いたという話は聞いていない。

 いずれにしても、消費税増税の根拠が怪しくなった以上、消費税増税はゼロベースで議論すべきだ。

 実際問題としては、法律で税率引き上げは決まっているので、覆すのはなかなか至難の業だ。ラストチャンスとなるのが来年度予算成立後の4月から5月だろう。

 その時点で何が起きているかは分からないが、「リーマンショック級の事態に備える」と、政治判断ということで表明すればいい。法律を変える必要があるので、自民党内の増税賛成派議員を抑えられるかどうかは分からないが、「増税見直し」を掲げて参院選で信を問う形もあり得るのではないか。

 なにより、平成後の新しい時代を増税で暗い世の中にしたいのだろうか。政治家の「常識」が問われている。

(嘉悦大学教授 高橋洋一)