「声は人なり」
先頃お目にかかった某民放のアナウンス部門の部長さんの言葉です。御自身、アナウンサーとして活躍され、最近では後進の指導に当たっておられる。
「あ。い。う。え。お。」
新人アナウンサーは、発声練習を繰り返し、「お」と「を」の違いや、「端」と「橋」と「箸」の違いを体得としていくそうです。
自己主張の仕方ではなく、複雑なニュースを最も分かりやすく伝える術を学ぶとも聞きました。
まさに、プロフェッショナル。
あるいは職人技と言っても差し支えないでしょう。
毎日、世界中で実に様々な出来事が起こり、時を移さずニュースとして伝えられます。シンプルこの上ない報道もありますが、中には複雑な状況のものもあります。そんな時でも、ニュースは冷静沈着に5W1Hを軸に分かりやすく読み上げられます。
生き馬の目を抜くビジネスの最前線を支えるプロフェッショナルたちも、同じです。どんな困難な注文にも、奇抜な発想にも、確実に応える職人技を持っています。そして、職人技は、常に基本に忠実なところからしか生まれません。磨き抜いた技は、いつしか、自分自身を雄弁に物語るようになります。
と、いう訳で、今週の音盤はラリー・カールトン「ルーム335」(写真)です。