折しも、トヨタとソフトバンクの提携発表の前日、ホンダがクルーズへの出資と事業資金投入を発表し、ホンダとGMの提携拡大にソフトバンクが絡む構図となった。

ソフトバンクは
既にホンダと提携関係にある

 ソフトバンクは、日本の自動車メーカーとの提携に関して、トヨタに先行してホンダと提携関係にある。すでに2年前から両社は人工知能(AI)の共同研究で提携し、昨年には提携第2弾として第5世代移動通信システム(5G)の共同研究提携を開始している。

 つまり、ソフトバンクの孫流経営戦略は、トヨタとホンダの日本を代表する自動車メーカー2社との連携という、したたかな展開を示しているのだ。先述した通り、ホンダとGMの協業発表が、トヨタ・ソフトバンク提携発表の前夜だったのも何かの因縁だろうか。

 ソフトバンクが自社で運営するファンドを通じてGMのクルーズに約2割出資したのは今年6月だが、それに際してソフトバンクは7年間、出資を維持することで合意している。一方、ホンダは、GMとの自動運転の協業に踏み込んでクルーズに出資するとともに、今後12年間にわたり事業資金を支出することになった。

 クルーズのアイル・ヴォグトCEOは、ソフトバンクに加えてホンダの出資を受けたことで「GMとソフトバンクにホンダが加わることで無人ライドシェアサービス専用車両を得て本業の拡大を図っていくことができる」と3社連合による自動運転のライドシェア事業への意欲を示している。

 つまり、ホンダがGMと組んでの自動運転の協業には、ソフトバンクも連携してCASEへの取り組みが広がる方向になるわけだ。

 一方で、今回のトヨタ・ソフトバンク提携に先んじてのホンダ・ソフトバンクの直接的な提携の動きを追ってみると…。