一晩眠っても疲れがとれない。頭がぼんやりしてやる気がでない。こんな体と心の疲れは「食」で予防・回復することが可能です。体の不調を正してくれる、そんな「滋養食」の数々を、新著『体と心の疲れが消えていく「滋養食」』を出版した医学博士の藤田紘一郎氏が紹介していきます。今回のテーマは「トマト」。ヨーロッパの俗諺で「トマトが赤くなると医者が青くなる」といわれるほど、元気の出る健康野菜の驚くべきパワーに注目しましょう。
老化の真の原因は
加齢よりも細胞の「酸化」
活性酸素はどのように、私たちの体を老化させるのでしょうか?
活性酸素は、私たちの体の細胞や各組織を「酸化」させます。
酸化とはサビることです。たとえば、リンゴの皮をむいて放置すると茶色に変わり、パサパサしてきます。がんじょうな鉄も、長期間屋外に放置していると、赤く変色してボロボロになります。いずれも、空気中の酸素が起こした酸化です。
活性酸素は酸素よりもはるかに強い酸化力を持っています。
活性酸素を浴びると、細胞はリンゴが茶色くなるように酸化していき、それを長期間放置すれば、ボロボロの鉄のように劣化した状態になってしまうのです。