残業で疲れきった夜、「栄養ドリンク」に頼っても、疲労回復効果は期待できません。疲れを一時的にごまかすだけで、常飲するとむしろ体に害を及ぼす可能性もあります。『「疲れリセット」即効マニュアル』の著者である「疲労」研究の第一人者・医学博士の梶本修身先生が解説します。
栄養ドリンクを飲むと
元気になった気がする
今、コンビニやドラッグストアに行くと、多くの種類の栄養ドリンクが並んでいます。テレビでも、さかんにCMが流されています。
残業をしなければならない夜や、体がなんとなく重たい朝に手が伸びる──そんな人が多いのでしょう。現在、栄養ドリンク市場は年間売上がトータル2000億~2500億円にものぼっているといいます。
しかし実は、こうした数ある商品のなかで、疲労回復効果が臨床試験で実証されているものは、ひとつもありません。
栄養ドリンクを飲むことによって、疲労回復できる可能性は極めて低いのです。
栄養ドリンクのラベルを見ると、「タウリン○○○○mg配合!」などと書かれています。その含有量が多ければ多いほど、疲れに効きそうだという印象を受けるでしょう。
しかし、たとえばこのタウリンに疲労回復効果があるという科学的証拠はいっさいありません。