第一三共ヘルスケア商品戦略部カテゴリー第2グループ長の輪竹麻美さん
輪竹麻美(第一三共ヘルスケア商品戦略部カテゴリー第2グループ長)
Photo by Masato Kato

「副作用」と聞くと、どうしてもマイナスイメージで捉えがち。だが副作用を言い換えれば、製薬会社が想定していたものとは別の効能が表れたもの。例えば勃起不全(ED)治療薬「バイアグラ」の効能は、狭心症治療薬の副作用。それに気付いて開発されたことは有名な話だ。

 しみの一種である「肝斑(かんぱん)」の、OTC医薬品(大衆薬)唯一の改善薬も、実は風邪などのときに処方される薬の副作用が開発の端緒だったというのは、あまり知られていないのではないだろうか。

 大衆薬大手、第一三共ヘルスケア(第一三共100%子会社)の肝斑改善薬「トランシーノII」(リニューアル前は「トランシーノ」、第1類医薬品)の話である。

 トランシーノIIの源流をたどれば、1965年に第一製薬(2005年に三共と合併して現在は第一三共)が医療用医薬品として発売した「トラネキサム酸」(製品名は「トランサミン」)に行き着く。炎症を抑えるため、または止血のために処方される薬で、今でも流通している。

 皮膚科ではじんましんの患者に処方されていた。ある日、薬を飲んだじんましん患者の肝斑が目立たなくなったことに長野県の皮膚科医が気付き、79年に論文で発表した。

 その後、第一製薬のトラネキサム酸の営業担当者(現在のMR=医薬情報担当者)を通じても、全国各地から同様の副作用情報が少しずつ集まってきた。