自動運転車
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 皆さん、こんにちは。三井住友アセットマネジメント調査部です。毎週土曜日に「ビジネスマン注目!来週の経済、ここがポイント」をお届けしています。

 10月4日、トヨタ自動車とソフトバンクが戦略的提携を発表しました。この時の会見で、トヨタ自動車の豊田章男社長は提携の理由として、「自動車業界は100年に1度の大変革期を迎えている。競争の相手もルールも大きく変化している。変化をもたらしているのはCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)だ。車は社会とつながり社会システムの一部になる」と説明しました。

 電動化や自動運転などが進んでいく点については、見方が一致していますが、技術的な課題などからそのスピードについては、見方が分かれており、今後の関連各社の取り組みに注目が集まります。そこで今回は、主に電動化や自動運転を中心に加速する、技術開発競争や提携の動きなどを見ていきたいと思います。

電気自動車(EV)へのシフト加速は、
世界的な環境規制強化などが背景

 電気自動車(EV)へのシフトが加速し始めた要因は、地球温暖化への対応等から各国の燃費規制が一層強化し始めたことにあります。中国の大都市は大気汚染の被害が深刻で、大気汚染対策と自動車強国実現の2つの国家目標を掲げ、国策として新エネルギー車(EV、プラグインハイブリッド(PHEV)、燃料電池車)の製造と普及を進めています。

 2019年に導入される「NEV(新エネルギー車)規制」により、自動車メーカーは中国での生産・輸入量に応じて一定比率のNEVを製造販売しなければなりません。購入補助金やナンバープレートの交付などで新エネ車は優遇されます。2020年には300万台、2030年には1900万台の販売台数目標が設定されています。

 米国ではカリフォルニア州政府などが、2018年から自動車各社にZEV(ゼロエミッションビークル)の販売比率を年々高めるよう義務付けたこと、イギリス、フランスでは2040年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する政策を打ち出したなどもEV化を加速しました。

欧州の方針転換などもEVシフトを加速
今後はハイブリッド、プラグインハイブリッドからEVへ

 EV加速の背景には、各国自動車メーカーの事情もあります。当初欧州の多くのディーゼル車メーカーはEVにはあまり積極的とは言えませんでしたが、2015年の米国におけるフォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正を機に、複雑かつ高コストの排気後処理装置を必要とするディーゼル車に見切りをつけ、EVシフトにかじを切りました。