イラン南部チャバハールで建設が進む港を巡り、対イラン制裁に動く米政府がジレンマを抱え込んでいる。オマーン湾に面したこのシャヒード・ベヘシュティー港は、11月5日に対イラン制裁を再開するトランプ政権にとって、最も阻止したい類いの経済開発だ。米国はシリア、レバノン、イエメンなどでのイラン政府の活動を罰する目的で制裁を発動する。トランプ政権は2015年に締結されたイラン核合意から今年離脱したが、制裁はそれに次ぐ動きだ。港は一部が昨年12月から稼働しているが、完成すれば南および中央アジアとイランとの経済関係を強化し、原油輸出の新たな拠点となるだけでなく、軍事拠点としても機能するようになる可能性がある。だがその一方で、アフガニスタンにとっては重要な経済ライフラインになるとみられている。米政府は現地に駐留する数千人の軍人を帰国させようと16年にわたりアフガニスタンの政局安定に努めてきた。
イランの港湾開発、制裁巡る米国のジレンマ浮き彫り
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