(3)外部の専門家にさりげなく説得してもらう作戦

 このような筋の悪い事業なりプロジェクトは、社長1人がやりたがっているだけということもある。したがってその本人に上手にその考えが勘違いであったり、見立て違いであったりすることをわからせれば済むことも多い。

 例えば、社長の信頼している他社の経営者、専門家に頼んで、全く別の話をしているときに、さも思いついたかのように、巧みな形で以下のように“さりげなく”文脈に織り込んでもらうのだ。

「本当に最近のA社やB社の例を見るにつけ、○○の時代はもう終わってますよね」
「そういえば、ご存じだと思いますが、△△技術には致命的な欠陥があるみたいですよ」

 このように信頼している人からさりげなくつぶやかれると、社長も○○をしたいと思う自分の意思決定には瑕疵があるのではと疑念を持ち始めたり、△△技術を推進するのはまずいかもと判断を変えたりするかもしれない。

 もちろん間違っても、そのことが主題と受け取られてはならないから、よく人を選んで、立派に役者を務めてくれる人物に依頼する必要がある。このように、社長が自分の判断に疑問を持つ状態にまでこぎつけられれば、あとは、やめる合法的な理由さえ捏造できれば、完全に停止させられる。

(4)リーク作戦 

 機密漏えいにつながる情報の漏えいは避けなければならないが、マスコミなどを使って話がまだ進んでいない段階で情報を流し、ステークホルダーや社会の悪評をあおって、今どきの言葉でいえば「炎上させ」、やめさせる作戦である。

 この後、どこから漏れたのかという犯人探しが始まるので、大いに危険であることは否めないが、背に腹は代えられない。どう転んでも成功しようのない事業が走り出して巨大な損失を出すよりもましである。あまり勧められる方法ではないが、昔から一部ではよく使われる手法ではある。