分業のメリットを追求する
自由貿易は互いの国にメリット

 TPPの本質は、多国間の自由貿易協定だ。自由貿易というのは、「お互いが得意な物を作って交換しよう」という分業のメリットを追求するものだ。

 分業は、お互いのメリットになるもの。たとえ相手が、特に優れたところのない国であったとしてもだ。簡単な事例で考えてみよう。

 今、あなたが隣人と家事の分業を検討しているとしよう。あなたは1時間で料理を3皿作って1時間で皿を3枚洗い、合計2時間働いて3皿の食事をしているとする。隣人は、2時間かけて料理を2皿作って1時間かけて皿を2枚洗い、合計3時間働いて2皿の食事をしているとする。

 これを分業するとどうなるか。料理が得意なあなたは、隣人に代わって料理を受け持つことにより、2時間で料理を6皿作る。その代わりに料理が不得意な隣人は、料理作りを免除される代わりに皿洗いに特化することで、3時間で6枚の皿を洗うことになる。

 分業によって、労働時間についてはあなたは2時間、隣人は3時間のままだが、2人の合計食事量は5皿が6皿に増えていることが分かるだろう。増えた1皿をどう分け合うかは交渉の問題だが、分業が双方にメリットがある話であることは理解していただけたと思う。

 これを国際貿易に当てはめれば、何を作っても日本に及ばないような途上国とでも、分業するメリットはあるということ。ただ、国際分業の場合には、増えた1皿の分配を決めるのは交渉ではなく、為替レートということになる。