すでに、タイやイギリスなどが参加を希望していると伝えられている。イギリスの場合は、EUを離脱するので代わりにTPPに加入するということのようだが、「どこの自由貿易協定にも属していないと損ばかりするから、どこかに加入したい」という意味ではタイと同じ立場といえるかもしれない。

 その際、当初の参加国が有利になる。TPPは多国間協定なので、新規参加国が加入するたびに条件交渉をしていては面倒。そこで、原則として「当初の発効時の条件をそのまま用いることを条件に、新規参入を認める」とされている。

 ここで重要なのは、当初参加国は、最低限の「わがまま」は通すことができているということ。締結に向け、各国は絶対に譲りたくない条件を出し合い、お互いのわがままを聞き合って交渉を成立させているはずだからだ。

 一方で、途中から参加する国々はわがままを述べられず、既に決まったルールを守らなければならない。日本がこの立場でなくて本当によかったと思う。

 筆者は大学の入学式で、とにかく早く友達グループを作るように促している。それは、最初にグループを作るメンバーであれば、遊びに行く曜日や場所の選定について意見を述べやすいが、後から加わるメンバーは望みを言いづらい。それと同じことが、もっと大きなスケールで国際貿易の世界でも起きているのだ。

(久留米大学商学部教授 塚崎公義)