ドブに捨てた930億円

 そもそもLNGビジネスの“素人”である東芝がフリーポートに突っ込んだのは、米原子力発電所事業を支えるため。フリーポート経由でLNGを調達する見返りに、原発から電力をLNG基地へ供給するバーター取引だった。

 しかし、米国の原発建設が中止に追い込まれ、当初の構想は崩れた。

 最大1兆円に膨らむところを930億円で損切りしたとはいえ、結局、東芝はLNGを手にすることも自ら売ることもないまま、930億円をドブに捨てた。

 LNG素人が首を突っ込んだあわれな結末。LNGマーケットで語り継がれる“汚点”になろう。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 堀内 亮)