人を動かすには「15秒で伝える」ことを心がける!
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この著書の発売を記念して、研修などで教えているノウハウや、すぐに使えるワザをご紹介します! 営業職はもちろん、部下や上司とのコミュニケーションで悩んでいる人は必見です。

部下に「ダメ出し」ができない
上司が増えている!

前回は、引っ込み思案タイプにリーダーを任せるための伝え方をご紹介しました。

今回は、部下が作成した未完成の企画書に、どのようにうまく指示をすればいいのか、という方法をご紹介します。

私は、企業研修講師の仕事もしていますが、最近の時代の流れでしょうか? 部下にダメ出しができない上司が増えているように感じます。

「最近の新人はダメ出しすると、すぐに潰れるから言いにくい……」

上司がつい及び腰になって、部下にダメ出しして面倒になるぐらいなら「自分で直した方が良い」と言う人もいます。

しかし、これでは新人が育ちません。

適切なダメ出しができないと、新人は自己基準が甘くなって、甘えてしまいますし、いつまでも自立しない、上司依存型新人になってしまいます。

また、部下自身に主体性があっても、「どうせ、上司が直すし」とか、「自分は信用されていない」と感じてしまうと、モチベーションが下がってしまう人もいるでしょう。

では、どうやってダメ出しをすれば部下が潰れずに、成長に繋がるのでしょうか?

そのカギは、「責任感を与える」ことです。

新人の頃は、上司から「企画書を作ってほしい」と言われて作ったとしても、「これは上司に頼まれた仕事だから」と仕事の主体が自分ではなく上司に置きがちです。

その考え方で仕事をしていると、その企画書のでき自体に責任を持ちません。
「上司が最終的には見てくれる」「指示通りにやればいい」という、頼まれ仕事や作業になってしまいます。

そうなると、いつまでも上司依存で指示待ち人間になってしまうのです。

ですからダメ出しをする時は、企画書のダメな部分を指摘したり、修正方法を最初から教えるのではなく、「君を信頼して、企画書の作成を任せている」ということを伝え、自覚を芽生えさせ、その上で、自分の責任で企画書を作り上げるという主体性を育てるのです。

そう考えると、逆にダメ出しをしないということは、その部下を一人前の人間として見ておらず、信頼もしていないというメッセージにもなるのです。

上司の姿勢としては、部下を一人のビジネスパーソンとして認め、その成長を期待するからこそ、ダメ出しをするという姿勢です。

しかし、全員同じようにダメ出しをしてはいけません。