相手のキャラを見きわめて
伝える!

この時も、相手のキャラを見きわめてダメ出しをすることが大事です。タイプ別の性格の詳しいご紹介は、本書をご覧いただきたいのですが、通常、人は、次の4タイプにわけることができます。

◆ガツガツタイプ(いわゆる積極的なタイプ)・・・「君なら周りが驚くような結果を出せると期待しているのに、このクオリティでは物足りないなぁ。エースの〇〇先輩の企画書参考にして、〇〇を超える企画書作ってみよう!」

◆やわらかタイプ(貢献欲求が強い、縁の下の力持ちタイプ)・・・「君が良い企画書を作ってくれることで、部署のみんなが助かるんだよ。今のままでは、単なる作業になってしまうから、もっとみんなに感謝されるような仕事のクオリティを目指そう!」

◆ロジカルタイプ(感覚よりも、データを重んじるタイプ)・・・「過去事例や先輩の企画書の型を盗めば、新人だと思われないような説得力のある企画書が作れるはずだ。君なら専門性を生かした企画を作れるはずだから、もっとこだわりを持って作ってみよう!」

◆おもしろタイプ(個性的で上の3つに当てはまらないタイプ)・・・「新人ではまだ誰も任されない領域を、君の発想力や企画のセンスを認めて任せているんだから、他の人と変わらない企画では面白くないだろう?君の良さを発揮して、周りが興味を抱く面白い企画書を作ってみよう!」

相手のキャラクターを見きわめながら、良い部分を認めて尊重しつつ、責任感や主体性を引き出せば、本人もやる気になって企画書を作り直すでしょう。

ダメ出しによって、モチベーションを下げるのではなく、ダメ出しをすることによって、「上司に期待されている」「自分を認めて任せてくれている」という気持ちにさせて、責任感と主体性を引き出すのです。

そう考えれば、もうダメ出しは怖くないはず!
ぜひ、部下から「感謝されるダメ出し」をしてみましょう。きっと、部下思いの上司という評価になるはずです。

部下のためになって、自分の評判も上げる!<br />上司から部下への正しい「ダメ出し」のやり方とは?羽田 徹(はだ とおる)
話し方コンサルタント・トップ講師プロデューサー・株式会社web-school.tv代表取締役
大学生の頃よりラジオDJを始め、1998年に大阪人気No.1のFM802主催の新人DJオーディションに合格。その後FM愛知や文化放送でラジオオDJとして10年間活動。番組降板により挫折し不動産投資会社の営業に転職。話し方を武器にさらに営業力を磨き、2年目にトップ営業になる。2008年にはその営業力が認められ倒産寸前だったロープライス眼鏡会社の取締役営業本部長に就任し、当時64店舗から110店舗への躍進を支える。またインターネットカフェ最大手にて社外取締役を歴任。2012年、ラジオDJとしての話し方の技術、営業力、組織マネジメント力、経営経験などを生かし、組織人事コンサルタント会社のリンクアンドモチベーションにてナビゲーター(研修講師)、ファシリテーターとして活動。大手企業からベンチャーまで年間100件以上登壇、延べ2万人以上の人たちと接する。研修講師の採用や育成の責任者も兼任。新人やマネジメント研修、エグゼクティブへのスピーチ・プレゼン指導、組織活性ワークショップ、働き方改革の為のロジカルシンキング講座などを得意とする。自身の経験から「学びでこの世界を豊かにする」を理念として活動中。著書に『ビジネスマンのためのスピーチ上手になれる本』(同文舘出版)がある。社会人のための「話し方動画教室オンライン」運営。