コンビニATMは稼げる

 もっとも、競合の状況は日通と異なる。警備輸送分野で日通に続く2番手の綜合警備保障(ALSOK)は「一部の銀行から値下げ要請はあるものの、他の新規客を開拓したため、増収増益で利益率は伸びている」という。

 同社が請け負うセブン銀行のATM業務では、現金を運ぶだけではなく、ATMの管理・運用、障害対応などをトータルでサポート。どのタイミングで幾ら現金を補充するか、紙幣の種類はどれが適切かなど、機械1台ごとに緻密に予測して補充、回収を行う。最新の予測機能によりセブン銀行のATMは99.9%の稼働率を誇る。

 この実績が評価されてALSOKは競合の契約をひっくり返すなど、ATM警備でトップに躍り出た(全国で約7万台)。

 3番手のセコムは、小売業や外食など金融機関以外の顧客に強い現金輸送専業のアサヒセキュリティを15年に買収。「人手不足により釣り銭準備や売上金回収などを専門業者にアウトソースする流れはますます高まっている」と事業成長性に期待を寄せる。

 日通はメガバンクなど古くから取引のある銀行の業務が競合より多く、値下げ圧力をもろに受けた。が、最近は訪日外国人の外貨両替も急増するなど警備輸送ビジネスの需要は拡大している。商機を狙い各社の競争は激しさを増していきそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 柳澤里佳)