旧財閥系企業グループの1社であるA社の、東京・大手町にある本社受付を訪問した時のこと。数人の担当者が並ぶ大きな規模の、調度も荘厳な受付カウンターだったが、受付スタッフのひどい対応に目が点になった。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

財閥系名門企業の受付で
完全放置された訪問客

立派な受付を設けても、スタッフのスキルが低ければ、会社の印象は下がります
立派な受付を設けても、スタッフのスキルが低ければ、会社の印象は下がります(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 さまざまな企業の受付を訪問しているが、だいたいは、「いらっしゃいませ。○○とお約束の○○さまですね」と復唱してくれた上で、訪問相手から受付にあらかじめ連絡がいっている場合は、「お待ちしていました。こちらのバッジをつけて、○階へお上がりください」というガイドがある。

 あらかじめ連絡がいっていない場合は、「少々お待ちください」という返答があって、その場で訪問先の本人に確認を取ってくれたり、「確認しますので、あちらのソファで少々お待ちください」という案内をしてくれた上で本人に確認を入れてくれる。

 企業の受付は、来客が初めて接する場で、まさに“会社の顔”だ。受付担当者は、発声も明瞭で、行動も俊敏で、にこやかな笑顔で、そつがない対応をしてくれて、企業イメージを向上させる…。そんな印象を持っていた。

 しかし、A社の受付は違った。「人事部のM課長と13時のお約束で参りました山口です」と言った後、受付担当者は座ったまま、私と目を合わせず、口をもごもごさせた後、PCの画面を開き、なにやら操作し始めた。たぶん、M課長に連絡しようとしてくれているのだろうとは思いつつ、受付カウンターでそのままお待ちしていた。1分経ち、2分経っても、PCの操作は終わらない。

 もしかしたら、私の意図が伝わっていないのではないか、別のことでPCを作業されているのではないかと思い、もう一度、「人事部のM課長と13時のお約束で参りました山口です」とあらためて、伝えた。そうしたら、「グループ会社の方ですか」と問われたので、私の会社名を伝えていなかったことに気づき、「最初にお渡しするべきだったでしょうか。すいません」と申し上げながら、自分の名刺を差し出した。しかし、名刺を手に取ることも一瞥することもなく、変わらずPCを操作している。