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時価総額の3分の1を投じて
レッドハットを買収したIBMに勝算はあるか

――米国IBM マーティン・イェッター氏に聞く

大河原克行
2018年11月16日
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――ハイブリッドクラウドやマルチクラウド環境において、IBM Cloudはどんな強みを発揮できますか。

 IBM Cloudは、オープンスタンダードに基づいたものであり、セキュアであり、拡張性や柔軟性を備え、管理性にも優れたものです。つまり、マルチクラウド、ハイブリッドクラウドに最適なクラウドサービスであるといえます。また、先頃発表したレッドハットの買収合意によって、最大手LinuxディストリビュータであるOpenStackの技術を活用することができ、より競争力を高めることができるといえます。

340億ドルでレッドハットを買収した理由は
ロジカルに説明できる

――レッドハットの買収は、IBMにとってどんなメリットがあるのでしょうか。

 まだ買収の手続きが完了したわけではありませんので、あくまでも暫定的な話となりますが、IBMにとっては、ハイブリットクラウドプロバイダーとしてナンバーワンのポジションを獲得することができるようになるのが大きなメリットです。さらに、重要なのがオープンスタンダードによる積極的な提案が可能になり、マルチクラウドおよびハイブリッドクラウドにおいて、幅広いワークロードを提案できるようになります。これは、他社にはない、大きな価値につながるといえます。

 そして、Linuxのディストリビュータとして最大の企業になるという点も大きなメリットです。GTSは、これまでもレッドハットと強い関係を持っており、1500社以上のお客様に対して、レッドハットの製品を活用したシステムを導入し、運用しています。

 IBMにとって、レッドハッドの買収は、明らかに「攻め」となります。企業は、マルチクラウドやハイブリッドクラウドに移行しようとしていますが、エンタープライズ全体のなかでは、ハイブリッドクラウド環境はわずか20%に留まります。今回の買収によって、残りの80%の市場に対して、より積極的に攻めていけるわけですからね。

――買収金額は340億ドル。ソフトウェア企業の買収としても史上最高額となる金額の大きさには驚きました。

 IBMは、その金額に納得しています。これは、成長を目指すための投資です。すでに、レッドハットのジム・ホワイトハーストCEOからも、レイオフはしないということが明確に示されています。この点でも、成長に向けた投資であることが理解してもらえるのではないでしょうか。

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