単行本やコミックに比べて判型が大きく、「折れ」が発生するなど扱いの難しい雑誌は、販売単価に物流費用が見合わないようだ

「アマゾンが雑誌の売り方を変えるらしい」──。10月下旬、こんなうわさが出版業界を駆け巡った。それから程なくして各社に「雑誌取り扱いに関するお知らせ」と題した1枚の文書が送付される。内容は11月1日以降、アマゾンの「あわせ買い」対象となる雑誌の価格を、従来の定価432円(税込み)未満から定価972円(税込み)未満に引き上げるというものだった。

「販売減につながりかねない」。知らせを受けたある出版社の営業担当者は直感したという。あわせ買いは1回の注文が合計2000円(税込み)以上にならないと購入できない仕組みだ。あわせ買い自体は数年前からあり、単価の低い日用品や食品が主な対象だった。しかし複数を“買いだめ”することもある日用品や食品と違い、その都度「1冊買い」されることが多い雑誌の特性上、アマゾンという巨大チャネルを通じてタイムリーに販売する機会が減ることの影響は計り知れない。それは本誌も例外ではない。

 今回、雑誌の対象範囲が大幅に拡大された背景にあるのは物流費用の高騰だ。急増する荷物と人手不足を発端に、アマゾンの荷物の多くを運ぶヤマト運輸が値上げに動いた。その余波が広がっているのだ。