この米誌「フォーチュン」電子版(11月8日)の記事に限らず、米下院金融サービス委員会が米ドナルド・トランプ政権にとって厄介な存在になる可能性を報じる米メディアが増えている。
先日の米中間選挙で、民主党が下院の議席の過半数を獲得した。この結果、米金融業界および米連邦準備制度理事会(FRB)に強い影響を及ぼす同委員会の委員長に、来年1月から同党のウォーターズ議員(カリフォルニア州、80歳)が就任する見通しとなった。
実際にそうなれば、初の女性、初のアフリカ系米国人の委員長だ。彼女のトランプ嫌いは筋金入りであり、民主党で大統領の弾劾を真っ先に主張したメンバーの一人でもある。彼女は同委員会にトランプ氏に融資した銀行幹部を召喚し、資金の流れを問いただすのではないかとみられている。
7月にジェローム・パウエルFRB議長が同委員会に出席した際、彼女は金融政策に関する質問はあまり発しなかった。それよりもトランプ批判を前面に押し出していた。「洗濯機への関税引き上げによって、同製品の価格は20%上昇し、ワールプール(米家電メーカー)の株価は15%下落した」と自説を述べ、トランプ政権の“貿易戦争”が米経済に及ぼす悪影響について、パウエル議長から批判的な言葉を引き出そうとしていた。