オジサンオバサンが入ってきた途端に
10代が逃げ出すのが最大のリスク

 日本におけるTikTokの広告パートナーは電通子会社のサイバー・コミュニケーションズだ。「ハッシュタグチャレンジ」と呼ばれる前述の枠組みは「1本約1000万円」(業界関係者)といわれているが、年内の広告枠は11月初旬には売り切れた。「TikTokは技術力が非常に高い。エフェクト機能だけでなく、利用者の年齢や地域、動画の閲覧状況などの分析も精緻に行っており、国ごとの差別化・最適化も図られている」(サイバー・コミュニケーションズメディア・ディビジョンの岸岡勝正グループマネージャー)ため、広告を入れやすい環境が整っているのだ。ただ、費用も意外とかかるため、今後自社でアカウントを作って行うコストを抑えたプロモーションも出てくるだろう。

 現在は食品など消費財の広告が多いが、将来的にはアパレルや、クリスマス・バレンタインデーなどの季節のイベントと連動した広告も増えそうだ。

 情報拡散をさせるだけであれば、10代をターゲットとした今の状態でも十分かもしれない。ただし、広告をビジネスとして確立させるには、もう少し年代の幅を広げることも必要になる。とはいえ、「こうしたサービスは、大人が入ってきた途端に『ダサくなった』と10代が離脱することが多く、TikTokもその可能性が高い」(高橋氏)。

 10代が共感する現在の世界観を壊さずにユーザーの年齢の幅を広げることができるか。今後のTikTok、ひいてはショートムービービジネスの命運は、その一点にかかっている。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 相馬留美)