残念なことは、動画にあった14のホテルに全て同じことが起きていたことだ。これらのホテルは1泊当たり日本円にして3万5000~8万円の五つ星の高級ホテルばかり。世界に名を馳せるリッツ・カールトン、シャングリラ、シェラトン、コンラッドフォーシーズンズなどの世界的な有名ブランドホテルも軒並み全滅となった。

 この類の話は今始まったことではない。昨年末には、ハルビンのシャングリラホテルで、従業員がトイレを掃除するブラシでコップを洗い、一時騒然となったのは記憶に新しい。その後ホテル側が謝罪声明を出した。

 今回、中国全土で激震のように話題となったのは、政治や経済の中心である北京や上海の有名な高級ホテルでも同じようなことが起こったからだ。動画が発表されてまもなく、名指しされたホテルは一様に反応し、「週末であり関連部署の危機管理部が休みのため、週明けにきちんと調査し、報告をします」との発表があった。

 ホテルではこのような悪い噂が多いせいか、筆者の周りは皆、ホテルを利用する時には、お風呂は絶対に使わず、シャワーだけというのが決まりごとである。

 その理由は「浴槽は不衛生で、誰がどんな風に使ったのかは分からない」からだ。「変な病気を移されるのが怖い」と、特に女性たちが口を揃える。わざわざバスタオルを持参する人も少なくない。

人手不足で生じる深刻な教育不足
苦情に追われるホテル支配人

 なぜ、このような不祥事が後を絶たないのか。

 まず、挙げられるのが、近年の労働人口が減りつつあり、働き手が著しく不足していることだ。2015年から毎年1000万人の労働力人口が減り続いているという統計がある。この状態が10年以上も続くに加え、少子高齢化社会が進み、10年先には労働力人口が総人口の10分の1にまで激減するとも指摘されている。