営業職は経理や財務、総務、営業企画などの他の職種に比べ、社内では若者からは人気がない職種と聞く。確かに、仕事は厳しいが、きちんと仕事さえしていれば、合併や大規模組織再編などの大きな環境変化があっても社内で最もリストラに強い職種である。(AKTANA International LLC プリンシパルコンサルタント 高橋洋明)
合併や大規模組織再編でも
営業はリストラされなかった
前回の『人気の低い営業職が実は「最強の職種」である理由』では、結果を出し続けられる営業は視野が広く、人財として魅力的なので雇用のリスクが少ないということを一緒に見てきた。
では、営業を経理や財務、総務、営業企画など、他の職種と比較した場合はどうだろうか?
私はこれまで会社員として仕事をしてきた中で、何度かグローバル企業の合併および大規模な組織再編を経験した。具体的には企業内の部署や人員配置の見直しと整理だった。
それらの組織再編や2社の合併時に、何が起こったか想像がつくだろうか?
その時に起こったことは、「営業は1人たりともリストラせず(自ら他の企業に活躍の場を求めた人は別だが)、一方、本社の人事や経理、財務などの人員を大幅に整理する」ということだった。
多くの場合、人事や経理、財務などの本社機能の一部は、さまざまな業務改善サービスの導入や業務プロセスの見直しなどで業務効率を改善しやすい。従って、会社の合併によって社員が2倍になったとしても、人事や経理、財務の社員は2倍も必要としないのだ。