ゴーンは反面教師、中高年が心穏やかに生きるための「我欲マネジメント」
お金、地位・支配欲求、愛、正義、自由、自己顕示、名誉、称賛……等々。この中でみなさんは自分の欲求で過度になっているものはありませんか?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

我欲は名経営者をも
狂わせる

 記憶に新しい事件に、カルロス・ゴーン前日産自動車代表取締役会長の逮捕があります。有価証券報告書に自身の報酬を約50億円過少に記載した金融商品取引法違反容疑とのことです。ゴーン容疑者は、日産のほかに三菱自動車会長、さらにルノーのトップとしても報酬を得ていたので、日仏合わせて報酬の総額は年間20億円ほどであったといい、公表されていない報酬は直近の3年間を含む8年間で80億円ほどといわれています。

 もっとも、この金額は退任後に慰労金やコンサルタント料などで支払われる予定の80億円であるという記事も飛び込んできました。それでも特捜部は役員報酬額を実際より少なく記載したという有価証券報告書への虚偽記載だというのですが……実態はまだよくわかりません。ゴーン容疑者は11月25日現在、嫌疑を否認しているようです。

 いずれにしても庶民には想像もつかないほど多額の報酬です。加えて会社が世界6ヵ国にゴージャスな住宅を提供していました。会社資金の私的流用が疑われています。

 そうした多額の隠れた報酬は、共に逮捕された側近のグレッグ・ケリー容疑者と内々に決めていたといわれています。

 事件の全貌や動機、ゴーン容疑者の心の内はわかりませんが、私が一番問題視するのは、ここに見える大きな、大きな“我欲”です。人間の欲は時に想像を絶します。その恐ろしさを垣間見た気がしました。

 彼はすでに多額の報酬を得ていました。それでもなお、「まだ足りない、まだ足りない」と叫ぶ我欲に苦しめられていたのではないでしょうか。