カジノ誘致に成功すれば
混雑はさらにひどくなる公算

 この万博計画と裏表の関係にあるのが、大阪府が夢洲に誘致を目指す「カジノを含む統合型リゾート(IR)」だ。

 2025年万博の招致構想が浮上したのは2014年のこと。当初、万博記念公園の再利用などが検討されていたが、候補地絞り込みの土壇場で急浮上したのが夢洲だった。大阪府の松井知事は夢洲に「カジノを含む統合型リゾート(IR)」の誘致を目指していた。万博招致を抱き合わせることで、周辺の開発が進み、IR誘致にも有利に働くとの狙いがあったといわれている。大阪府の構想では、2024年度にIR第1期区画が開業。2025年に隣接地で万博を開催し、万博終了後に第2期区画を開発する予定だ。

 万博輸送の中心を担う地下鉄中央線の延伸計画は、既にIRを照準に入れて動き始めている。今年7月に公表された大阪メトロの中期経営計画には、「夢洲・新臨海観光エリア」を都市開発事業の西の拠点として位置づけ、2024年度に中央線を夢洲まで延伸し、付近に商業施設を展開すると記されている。

 実は咲洲と夢洲を結ぶ夢咲トンネルは、元々は「2008年大阪オリンピック」招致時に関連インフラとして計画されたもので、上下線2本の道路トンネルの間に鉄道用の空間を準備した鉄道・道路併用トンネルとして建設されている。通常のスケジュールでは招致決定から開催までの6年間で地下鉄新線の建設は困難だが、招致計画に織り込み済みだったのにはこのような背景があったからだ。

 IRは開業初年度の集客数を年間1500万人、1日当たり4万人と見込んでおり、IR輸送だけでも無視できない規模になる。これを見込んでJR西日本はJR桜島線、京阪電鉄は中之島線の夢洲延伸を構想しているが、開業はどれだけ早くても10年後の話。2025年の時点で夢洲を通る大量輸送機関は地下鉄中央線だけだ。