少子高齢化が進む日本。当然、東京も例外ではないと考えられていたが、今年3月に出た最新の将来人口推計では、なんと東京のみが2045年になっても現在の人口を上回るとされ、前回調査より大幅に上方修正された。ここまで人が増えると想定してつくられていなかった東京圏の鉄道整備計画にも、大きな影響が出るのは必至だ。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

少子高齢化でも東京は例外
予測に反して人口増加傾向に

2045年の東京は、今よりも人口が多いことが予想されています
都心回帰が進んだ結果、東京都の人口推計は大幅に上方修正された。少なくとも今後30年は、東京の電車混雑は緩和されそうにない  Photo:PIXTA

 今年3月、国立社会保障・人口問題研究所は5年ごとに行っている将来人口推計の自治体別推計値を発表し、27年後の2045年には東京都を除く46道府県で、今よりも人口が減少するとの見通しを示した。

 2013年に行った前回推計では、東京都の人口は2015年から2020年にかけてピークを迎え、2040年までに100万人以上減少するとされていた。ところが大都市への人口集中がこれまで以上に加速していることを受けて、大幅に上方修正されたのだ。

 最新の推計では、東京都の人口は2030年から2035年にかけてピークを迎え、その後緩やかに減少していくものの、2045年の時点でも現在の人口を上回る想定となっている。首都圏の1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)の総人口で見ても、2020年頃をピークに減少に転じる予測は変わらないものの、2040年時点の比較で、前回調査よりも230万人ほど上方修正されている。つまり、東京圏の人口は想像以上に減らないということが明らかになってきたのである。

 そもそも人口推計は、政治や経済と比較してはるかに正確な予測が可能な分野である。日本全体の人口推計は20年前の予測通り、2009年をピークに総人口が減少に転じた。変化したのはその内訳、つまり人口が大都市圏、都心に集中する社会増減の傾向である。

 東京は高度経済成長期からバブル期にかけて、都心の人口が減少し、郊外の人口が増加する「ドーナツ化現象」が続いていた。そのため1997年の人口推計では、東京の人口は2000年以前にピークを迎え、2020年までには1000万人を切ると想定されていた。

 ところが実際には地価の下落や都心再開発、超高層マンションの規制緩和などによって都心回帰が進み、2018年現在の東京都の総人口は1375万人にまで増大した。実は既に2020年の推計値を上回っており、東京都の人口増加は最新の推計を上回るペースで進む可能性が高い。

 今後も東京が活気あふれる街であり続けそうだというのは良いニュースだとしても、毎日通勤ラッシュに苦しめられている方々は複雑な心境だろう。少なくとも今後30年、人口がさほど減らないのであれば、首都圏の鉄道混雑も緩和されないのだろうか?