2017年度の都市部の鉄道混雑率が発表されたが、「いつも乗ってる電車の混雑はもっとひどい」と感じている人が多いはず。混雑率の数値が必ずしも実態を反映していない理由を解説するとともに、通勤を少しでもラクにできる技をご紹介する。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

混雑の実感が数値以上なのは
どこに理由があるのか?

満員電車の混雑ぶりは混雑率数値以上だ
早起きするだけがオフピーク通勤ではない。どの電車の、どの号車が特に混むのかなど、混雑の実態を知ってそれを外すことも、立派なオフピーク通勤だ Photo:ZUMAPRESS/AFLO

 国土交通省は17日、通勤通学時間帯の鉄道の混雑状況を把握するため、都市部の路線を対象に毎年度実施している混雑率調査の結果を公表した。

 首都圏の路線について国は、ピーク時における主要31区間の平均混雑率を150%、個別路線の混雑率を180%以下にすることを目標に定めている。主要区間の平均混雑率は1998年度に183%だったのが、2008年度は171%、最新の2017年度は163%と着実に減少しているが、いまだに目標には到達していない。

 個別の路線で見ると、東京メトロ東西線の199%を筆頭に、JR総武線(各駅停車)、横須賀線、南武線、東海道線、京浜東北線、埼京線、中央線(快速)、総武線(快速)、東京都交通局日暮里・舎人ライナー、東急田園都市線の計11路線が混雑率180%を上回っている。

 1998年度は23路線が180%を上回っていたので、改善が進んでいるのは確かだが、解決までにはまだかなりの年月を要することになりそうだ。なお今年の3月に代々木上原~登戸間の複々線化を完了した小田急線は昨年度の194%から151%に大幅低下し、増発の効果を発揮している。

 混雑率の目安は、180%で「折りたたむなど無理をすれば新聞を読める」、200%で「体が触れ合い相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める」とされているが、利用者からすると、実際はもっと混んでいると感じるのではないだろうか。

 混雑率250%は「電車が揺れるたびに体が斜めになって身動きができず、手も動かせない」とされているが、上記の混雑路線以外の利用者でも、これくらい混雑した電車で通勤している人はいるはずだ。この混雑率調査は実態を反映していないということなのだろうか。

 その疑問に答えるカギは、混雑率の算出方法にある。混雑率は「輸送量の輸送力に対する割合」と定義される。具体的には、ある路線の最混雑区間のピーク1時間に通過する利用者の合計を、その時間に運行される全列車の定員の合計で割って算出される。つまりこの数字はピーク1時間の平均値であり、その中には様々な偏りが存在していることを見逃してはならないのだ。