だが本当に効果があるのか、これが恒久化しないか、きちんとした検証が必要である。

 GDP成長率の数字のつじつま合わせのために、消費税の使い道を変えたり、他の税で減税をしたりというのでは、本末転倒である。何より効果が怪しい。

 2014年の消費税率5%から8%への引き上げの際にも、経済成長を損なわないためとして法人税減税が実施された。

 2014年には復興特別法人税の前倒し廃止、15年は法人税率を25.5%から23.9%へ引き下げ、16年は23.4%へ引き下げ、18年は23.2%へと引き下げられている。だが効果は疑わしいものだった。

 この法人税減税に合わせて、租税特別措置や繰越欠損金の見直しや外形標準課税の強化といった課税ベースの拡大も実施されたから、税率引き下げだけで効果を判断するわけにはいかないが、それでも法人税全体では減収になった。

 2018年10月18日に行われた野党5党による合同ヒアリングでの財務省担当者の説明によれば、安倍政権になってから法人税減税による減収は5.2兆円になるという。

 だが結果はどうだったか。結局、この間、企業は内部留保を大幅に積み上げ、企業同士が受け取る配当収入を増やしただけだ。しかも、外国企業が日本への投資を増やす効果があったかどうかも疑問が残る。

成長の果実で
社会保障をまかなえるのか

 悪循環が生じている。

 政府まず社会保障財源が足りないから消費税増税が必要だという。ところが、消費税増税は消費を落ち込ませ景気を悪化させるからという理由で、さまざまな減税措置を導入する。

 こうしていつの間にか、成長で税収を増やして成長の果実で社会保障をまかなうという論理にすり替わってしまう。

 ところが、思ったほどに経済が成長せず、減収効果が効いて税収不足になる。そして、国民に社会保障や福祉の実感が届かないまま、また社会保障の財源不足が強調されるという具合である。
 
 今回の消費税増税で、もうひとつの焦点になっているのは、食料品などの税率を8%に据え置く軽減税率が導入される点である。これに伴う1兆円程度の減収分の財源は一部しか確保されていないまま実施が予定されている。

 また家計消費の低迷とともに、消費税増税の増収効果が落ちている可能性があり、結局、見込み通り5.6兆円の税収が確保できるかどうかも疑わしい。

 そうした状況下で、軽減税率が本当に必要な政策かどうかはきちんと考えておかねばならない。