案内状には記載がなかったが、フィスコの担当者によると今回のパーティーについては事前に会場を押さえた上で、200人の定員を予定していた。これに対し、実際には7日昼前の段階で700人ほどの応募が集まった。会社としては「日程や定員に関する要望が多数集まったこともあり延期を決めた」としているが、ネット上では流出事件から間もない時期の開催に「批判が殺到したことでイベント中止に追い込まれたのでは」との憶測が広がった。

目立つ世間との“感覚”のズレ

 批判が集まったと類推できそうな根拠はある。主催側の開催趣旨の説明が都合よく“変転”したことだ。フィスコは延期の告知メールで、元々のイベントの趣旨について「これからのZaifの事業運営を少しでもお客様にご説明するとともに、直接お客様との交流より頂いたご意見をこれからのZaif事業運営に反映させていきたいとの思いがございました」としている。

 だが、当初の案内に記載されていた趣旨を見れば、「ZaifとFCCEが手を取り合うことを記念」して「パーティイベントを開催することを決定」したので「美味しい食事と交流を楽しみながら、仮想通貨が描く未来に想いを馳せてみませんか?」というお気楽なもの。開催案内と延期告知の両メールに記された趣旨の説明は随分とギャップがあり、批判を受けて軌道修正を図ったとみられても仕方がないのではないか。

 イベントを開くにしても、流出事件を経て事業譲渡を受けたフィスコが「顧客不安を緩和するため今後の運営方針を真摯に説明する」といった趣旨なら理解も得られそうなものだ。だが、当初からそのような説明だったわけではなかった上、流出をめぐる顧客の補償についても「すでに手続きがなされている」としてイベントで言及する予定はなかったという。

 こうした世間との“感覚のズレ”は、仮想通貨の扱いに腐心する金融庁にとっても耳の痛い話かもしれない。事業譲渡が完了したテックビューロは今後、解散に向けた手続きを行う予定だが、同社は金融庁が1年前の9月、「登録業者」としての認定を出していた存在でもある。今回のイベントの顛末からすると、そうして事業が引き継がれたフィスコでも、この先うまくハンドリングがなされていくか不安が募ると言わざるを得ない。