仮想通貨流出のZaif、「SNS炎上後に立食パーティー延期」の顛末Photo:PIXTA

9月に70億円規模にのぼる仮想通貨の流出事件が起きたテックビューロの仮想通貨交換取引所「Zaif(ザイフ)」。フィスコグループは事業譲渡を受けた11月22日、盛大な立食パーティーを開く予定だったが、ツイッター上で批判が殺到したあげく、延期を決めた。事件間もない時期に華やかなイベントを開こうとする同社の姿勢に、“常識感覚”を疑う声が続出したのだ。(「週刊ダイヤモンド編集部」編集部 竹田幸平)

 フィスコグループが計画通り、テックビューロから仮想通貨交換事業「Zaif(ザイフ)」の譲渡を完了した11月22日に「新生Zaifの展望と仮想通貨、トークンエコノミーの未来を語る!」というタイトルで開かれるはずだったフィスコ主催の盛大な立食パーティーは結局、延期されることになった。

 Zaifといえば、9月に約70憶円にのぼる仮想通貨の流出事件が起こったばかり。45憶円にのぼる顧客資産の補償に向け、10月に金融支援の引受先としてフィスコ仮想通貨取引所への事業譲渡が発表された。これによって顧客補償には道筋をつけることができたとはいえ、ろくに顧客への説明もないまま事が運んだことに対して、利用者からは怒りの声が相次いでいた。

 そうして迎えた11月6日。フィスコはZaifの口座保有者(およそ73万口座)へ冒頭の立食パーティーの案内をメールで配信した。9日の朝10時までにアンケートに回答すれば応募ができ、応募多数の場合は抽選で参加者を決めるとした。また、イベント当日の会場は「都内近郊」とだけ記され、参加費は「無料」。仮想通貨に詳しい複数のゲストを迎えるとした上で、案内には次のような文が躍った。