すでに外国人労働者への
セクハラ・パワハラは勃発している

「認定外国人労働者第一号」が来日をした当初は、雇用主たちも世間に注目されていることもあって、高度経済成長期の「金の卵」のように大事に扱うが、2年、3年も過ぎれば、日本の労働者に対しても行なっているようなパワハラ、セクハラがポツポツあらわれはじめるだろう。そこに加えて、どの開催国でも起きている「五輪不況」によって、外国人労働者を受け入れた業界も苦境に陥ることで、かつての派遣労働者のように「雇用の調整弁」として、外国人労働者を「雑」に扱う企業が増えていく可能性が高いのである。

 なぜそんなことが言えるのかというと、冒頭の「未来予想図」のプロローグ的なことが、すでに日本のそこかしこで進行しているからだ。

 例えば、2014年6月に来日したガンボジア人の技能実習生は、東京都内の建設会社で配管工として働き始めたが、上司から「アホ」「死ね」など暴言を吐かれたあげく、工具でヘルメットを思いっきり叩かれた。

 さらに、作業中に電気のこぎりで、左手人さし指の先端を切断したら、「金欲しさにわざと切ったのだろう」と執拗にディスられて、うつ病になり労災認定されている。

 茨城の大葉農家に住み込みで働いた実習生の中国人女性は、大葉を束ねる作業を「内職」とされ時給300円でこき使われたあげく、作業中に雇用主からお尻などのボディタッチをされた。また、「結婚してくれ」「子どもを産んでくれ」などと囁かれ、入浴中に踏み込まれもした。

 もちろん、これは氷山の一角に過ぎない。実習生の多くは、日本に来る際に渡航費などを借金として背負っているケースが多いので、どんな理不尽な目にあっても逃げられない。貧しい寒村から身売りされた「おしん」のように、じっと耐え忍んでいるからだ。

 外国人留学生や技能実習生でさえ、まともな賃金と待遇で迎えることができないのが、今の日本の現実なのだ。法改正によって外国人労働者の総数がドカンと増えれば当然、「被害」の声を上げようという人も増えていくのは、火を見るよりも明らかだ。