高野山の空海御廟までの参道に集まる
名だたる戦国大名の墓所と企業墓
長いこと本を読んでいると、性格が素直じゃなくなる。新しい本を手に取っても、「この手のテーマ、前も読んだことあるな、フン!」などとついつい思ってしまうのだ。すれっからしもいいところである。
だがこの本には驚かされた。まさかこんな切り口があったとは!『ルポ企業墓 高度経済成長の「戦死者」たち』は、文字通り企業が建立した「企業墓」をテーマにしたノンフィクションだ。
聖地として知られる高野山は、年間200万人もの観光客が押し寄せる一大観光地でもある。ここを訪れた人はみな奥之院を目指す。空海御廟に詣でるためだ。
御廟までの約2キロメートルの参道の両側には、織田信長や豊臣家といった名だたる戦国大名の墓所が林立していることで有名だが(ホント物凄い数ある。さながら戦国オールスターズの趣)、実はパナソニックやクボタなどの企業墓が多数集まるエリアでもある。