桜蔭・雙葉・豊島岡女子・渋谷幕張…。東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、特にエリート父親層から圧倒的な支持を集めている。本連載では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『女の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)の内容から、子どもの計画・理解・反復・習慣のプロセスを体系化した「女の子の特性」に基づく学習法をお伝えしていく。
言われたことを素直に受け止める
男の子よりも大人で、左脳が発達している女の子は、言葉の理解力が優れています。そのため、女の子のほうが大人からの助言を受け入れやすいと言えます。
また、男の子が「自分の力でナントカしたい」と考えるのに対し、女の子は「誰かと一緒に前に進みたい」という傾向があり、その点でも大人の助言に耳を傾けます。ただし、このときの助言は上から目線の指導ではなく「共感に満ちたもの」であることが必須です。
また、中途半端な褒め言葉や叱り言葉は、信頼を失い逆効果です。むしろ、ありのままをストレートに言ったほうがいいのです。
というのも、女の子は、親が自分を同等の一人の人間として扱い、その上で共感を示してくれることを望むからです。そして、それがなされていると感じたら、意外と素直にどんなことでも受け止めてくれます。
この共感者の役割は、まず母親が中心になって行うといいでしょう。もちろん、父親も大事ですが、まずは母親が一番の理解者になり、そこから父親との関係に導いてあげるというのがやりやすいようです。
「女の子は難しい」と、変に遠慮して母親に任せっきりにしたり、心にもないことを言ったりする父親がいますが、それは最悪の手です。女の子は瞬時に、 「私のお父さんは逃げている」と察知します。一度「逃げる親」という印象を与えてしまうと、それを塗り替えるのは大変です。
「ストレートに言ったら傷つけてしまうのではないか」という不安はあるでしょうが、その不安を払拭するためにも、信頼関係の構築が必要なのです。決して、そこから逃げてはいけません。
もし、会話の中で伝えにくいことがあるなら、交換ノートを利用してもいいでしょう。そのときも、とにかく「言葉」を大事にすること。適当に済ませずに、言葉を尽くして本心を伝えましょう。面倒なようですが、自分の親がこれをやってくれていると感じたら、女の子は成功したことも親と分かち合おうとしてくれます。
合格発表の場で親と抱き合って嬉し泣きするのは、女の子ならではの感性です。男の子は、「よっしゃ、俺の力だ」で、感謝などしてくれませんから。